○ 新・十日町市長選挙への立候補表明者に対する公開質問の回答内
 容について(2005.4.12公表)


○ 新・十日町市長選挙への立候補表明者に対する公開質問の実施 
  (2005.3.18)

 公式合併により、4月1日に新しい十日町市が誕生します。
 すでに5名の方が市長選への名乗りを上げています。
 NPO魚沼ゆうきでは、立候補表明をされた方々がどのような政策を掲げられている
のかをお聞きし、広く公開することを目的として、公開質問をお願いしています。
 公開質問をお願いしたのは、次の5名の方です。
 白川勝彦氏、滝沢信一氏、田口直人氏、樋口利明氏、村山 薫氏(以上、五十音順)

<立候補表明者への依頼文書(概要)>

平成17年3月16日

  新・十日町市長選挙
   立候補表明者 各 位

  特定非営利活動法人 NPO魚沼ゆうき
  理 事 長  山 岸  勝 


  公開質問の実施について(ご回答依頼)


 早春の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 来月1日に発足する新・十日町市の市長選挙につきましては、5名の候補者によって、4月24日告示、5月1日投票との報道がなされております。
 各候補者がどのような政策を掲げるかは、今後の新市の運営にとって極めて重要であり、住民の関心も高いものがあります。地域住民が各候補者の政策に関する認識を深め、納得できる政策を掲げる候補者に投票することは、民主政治の基本であると考えます。
 当NPOの正会員の多くは十日町広域圏に居住しており、特に、各候補者の農業政策に強い関心を持っております。これは地域の農業者のみならず、地域住民にとっても同様のことと思われます。
 つきましては、選挙への立候補を表明されている方々から、下記のとおり、農業分野を中心にお考えをお聞かせいただきますよう、よろしくお願い致します。
 ご回答をいただいた内容につきましては、記者会見を行うなど、広くその内容を公開させていただき、住民の農業政策判断に活用いただければと考えております。
 ご多用の折とは思いますが、ご協力を賜わりますよう、よろしくお願いします。

  記

1.質問項目    別紙のとおり。

2.ご回答依頼   3月31日(金)正午までにご回答下さいますよう、よろしく         お願いします。郵送またはFAX等により、お願いします。

3.その他    (1) ご回答内容は、4月1日以降に記者会見等により、公表させ          ていただきます。掲載はご回答をいただいた順番とし、ご回答          をいただけなかった場合は「無回答」として公開させていただ          きます。

         (2) お問い合わせ等がございましたら、次までお願いします。
           川西町山野田270−1 NPO魚沼ゆうき
           TEL・FAX025−768−4048

<質問項目>

新・十日町市長選挙への立候補表明者に対する公開質問項目


<はじめに>

 公開質問項目は全体で9項目あります。それぞれ項目について、立候補表明者のお考えや、選挙で掲げられる政策についてご回答いただきますよう、お願いします。
 ご回答は、別紙にご記入下さいますよう、お願いします。
 なお、ご回答にあたり字数制限を設けさせていただいておりますので、ご協力をお願いします。

<公開質問項目>

1.ご自身と農業の関わりについてお聞かせ願います。     (100字以内)

2.十日町広域圏の農業について、どのような課題があるとお考えですか。
  また、その課題が生じた要因をどうお考えになっていますか。(200字以内)

3.今後の十日町広域圏の農業の「あるべき姿」をどうお考えですか。「あるべき  姿」とそれを担う農業の「担い手像」について、お考えをお聞かせ下さい。
                              (200字以内)

4.農業政策の決定や政策評価について、農業の生産現場(専業・兼業を含めた農業 者、生産組織、農業団体等)や地域住民等の意見をどのように反映させていくかに ついて、お考えをお聞かせ下さい。             (200字以内)

5.資源循環型・環境保全型農業の推進についてどのように考えますか。推進に当た っては、社会全体のあり方を考える必要があると思いますが、具体的な取り組み内 容もあわせてお聞かせ下さい。
  例えば、家庭や事業所からの生ゴミは分別と管理(温度管理を含む)を徹底する ことにより、堆肥の原材料として活用することができます。これを地域で利用すれ ば、地域循環をすすめることはもとより、現在の生ゴミ処理の経費を削減し、環境 負荷の軽減にも貢献すると考えられます。          (300字以内)

6.食の安全・安心についての関心が高まってきています。
  このような状況のなかで「現状の農薬・化学肥料の使用状況」「17年産から本 格化するコシヒカリBLの作付」「有機栽培(無農薬・無化学肥料)栽培の推進」 についてお考えをお聞かせ下さい。             (400字以内)

7.経営規模にかかわらず環境にやさしく生産者と消費者の折り合いの付く農業の姿 (=「環境農業」とします)を定め、「環境農業」に取り組む農業者に対して支援 策(学校を含めた行政施設の給食・食堂への積極導入など)を講じて、地域農業の 活性化をはかるという考え方についてどう考えますか。    (200字以内)

8.畜産農家は畜産物の価格低迷など困難な状況のなかでの経営を強いられています が、一部の周辺住民は日々悪臭を感じているのも事実であり、個々の畜産農家は  様々な取り組みを行ってはいるものの、抜本的な解決が難しい状況です。
  畜産振興は地域農業の重要事項であると考えますが、地域と共存する畜産経営を 確立するため、行政としてどのように畜産公害に取り組んでいくかについて、具体 的にお聞かせ下さい。                   (200字以内)

9.新市長になって最優先で取り組みたい農業政策は何ですか。
  可能であれば、具体的に、期限、財源等をお示しいただきますよう、よろしくお 願いします。                       (200字以内)


<NPO魚沼ゆうきの概要と環境農業による地域農業振興の提案>

1.設立の経過

○ 平成11年に川西中学校給食センターで「生ゴミの堆肥化実験」が始まったことを
 うけ、翌12年春に10人の有志で「魚沼ゆうきの会」を結成し、生ゴミの堆肥化と
 それを利用した農産物の試験栽培に取り組みました。
○ 平成13年6月に「NPO魚沼ゆうき」に発展的に移行し、9月には生産行程管理
 者として自然農法センターから「JAS認定」を受けました。
○ 販売力の強化を図るため、NPO役員有志が出資し「株式会社魚沼ゆうき」を設立
 し、有機米の販売のほか、発芽米の製造・販売等を開始しました。
○ 平成16年度の会員は27名、有機栽培面積は約20ha、出荷重量は約60tを
 見込んでいます。

2.現在の活動内容

○ 正会員に対して、有機栽培の技術向上等を目的とした研修会等を実施しています。
○ 支援・賛助会員を中心に、田植えや稲刈りの体験イベントを実施し、近郊の小学校
 からも参加いただいています。
○ 小学校や幼稚園でのバケツ稲作りや学校教育田の援助を行っています。
○ 環境農業塾を昨年12月に立ち上げ、広く参加を呼びかけています。

3.有機農業振興上の課題

○ 栽培においては、多くの労力がかかり(特に除草)、害虫や病気に対して速効性の
 ある決め手がなく、特に野菜の場合はいわゆる「商品価値」の高い農産物の安定的な
 生産に苦慮しているのが現状です。

○ 販売においては、生産者としては「有機栽培による付加価値」を求めていますが、
 一般農産物よりも高い価格で販売することが難しいのが現状です。「形が揃っていな
 いこと」「虫害が防ぎきれないこと」「安定的な数量確保が難しいこと」「品目が限
 られていること」なども原因と考えられます。

○ これらのことから、有機農業(無農薬・無化学肥料栽培)に取り組むことが経済的
 メリットにはつながっていない現状があります。
  また、JAS認証を受けた場合は、「使用できる資材が限られており、製造業者の
 証明書が必要であること」「各種書類を整備し、毎年検査を受けること」「有機栽培
 ほ場とそれ以外のほ場とで機械・施設の使用を区分すること」「有機栽培ほ場とそれ
 以外のほ場とで一定の距離が必要であること」など、様々な制約があります。
  有機農業に取り組んで、さらにそれを拡大していくためには、有機農業に取り組む
 農業者の努力はもちろんですが、家族や地域農業者の理解が不可欠であり、消費者や
 行政、農業団体等の支援をいただけると大きな力になります。

4.今後の活動方向

○ 栽培品目や栽培数量の拡大、安定的な販売先の確保などに取り組みます。栽培技術
 の向上のため、内部研修のほかに、一般にも広く呼びかけた技術講座(4回程度)の
 開催を検討しています。
  また、新たな会員の確保にも力を入れます。

○ 各種イベントや環境農業塾、学校教育田など、地域との連携活動を引き続きすすめ
 ます。

5.環境農業を通じた地域農業振興

○ 地域内の農業を有機農業に切り変えることは、多くの制約があると考えています。
  しかし、「環境にやさしく、生産者と消費者がお互いに納得・共存できる『望まし
 い農業』」を地域内で広めていくことは重要だと考えています。
  ただ単に、「形が揃って見た目が良く、ある程度安全で、安ければよい」というの
 では、国産農産物は輸入農産物にとって代わられてしまいます。

○ 仮に生産者も消費者も納得できる「望ましい姿」があると仮定します。
  農産物そのものの「望ましい姿」はもちろんですが、生産方法やほ場条件などにつ
 いても「望ましい姿」があると思いますし、価格設定についても「望ましい姿」があ
 るのではないでしょうか。
  このような「望ましい姿」を生産者が目標とし、消費者や行政が支援することで、
 地域農業の振興や食料自給率の向上につながると考えています。
  この「望ましい姿」を「環境農業」と名付けています。
  「環境農業」は規模の大小にかかわらず取り組むことが可能で、しかも、地域から
 支持されることで、農業経営の安定がはかられ、後継者育成につながると期待してい
 ます。

○ 「環境農業」をすすめていくためには、多くの方に農業について関心を持っていた
 だき、この地域で将来どのような農業を目指すのかについて、十分な話し合いが必要
 だと考えます。
  みなさんからご意見をお寄せいただきますよう、お願いします。


参考1:環境農業を提案する背景

<農業を取り巻く情勢はどうなっているのだろうか>
○ 自給率の低下
 
○ 特定の作物(大豆・麦)の生産拡大で自給率は向上
 すると考えられるが、それでよいのか。
   いろんな作物の自給率の向上が必要でないか。
○ 国「意欲と能力のあるプロ農業
 経営の高生産性型農業、高付加
 価値型農業の展開」、担い手の 
 明確化と支援の集中
○ 大多数の農家は「意欲と能力」がないのか。
○ 担い手に農地を集積させた場合、担い手以外の農
 業者は農業ができなくなるのではないか。
○ 少数の担い手だけで農地の管理ができるのか。
○ 品質向上のめざましい輸入農
 産物
○ 有機農産物の多くは輸入農産物である。
○ 見栄え、安全、低価格の三拍子実現か?
○ 農産物価格の低迷

 
○ 自主米は市場原理が導入されているが、不作でも 
 売れ残りの危惧で価格上昇が抑えられている。
○ 価格上昇は輸入の増加に直結している。
○ 農業従事者の高齢化
 
○ 全体として魅力ある農業経営が実現できておらず、
 若者が農業現場に飛び込めない現実がある。
○ 効率化が難しい農作業  ○ 一部農地は排水不良、機械化困難などの課題。 

<消費者はどう考えているのだろうか>
○ 消費者は「農産物価格のコスト割れ」「排水不良による重労働」「農業従事者の減少」  
  「特定作物の生産集中による自給率向上」等は望んでいないのではないか。
○ 消費者は「自らの地域で、おいしく、安全な農産物が多品目生産され、農業経営も維持
 できること」等を望んでいるのではないか。
○ 消費者は「自らが納得する地域農業」を応援してくれるのではないだろうか。 

<地域農業の存続・発展には何が必要だろうか>
○ 農業が存続していくためには、有機栽培や減減栽培にこだわらなくとも、環境負荷の軽
 い農法を追求していく必要があるのではないか。
○ 消費者が求める「農産物や農業のあり方」をよく考え、農業者がそれに取り組みととも 
 に、農業体験イベントなど、地域に広げる活動が必要ではないか。
○ 行政や農業団体なども、積極的に支援したらさらに広がるのではないか。 


参考2:環境農業のイメージ
 
項  目 イ   メ   ー   ジ
農 産 物
 
○栄養価が高い ○食味がよい ○有害物質が少ない
※ 数字で示すことも考えられる
ほ場条件





 
○基盤整備がなされている ○機械乗り入れが安全である
○用・排水管理が容易である(暗渠の整備、地下かん水や地下水位調整が可
能であることが望ましい)
○畦や法面は、防草ネットや野芝・ヒメイワダレソウ等の植物で覆うか、自走式
草刈機で管理されていること(除草剤は原則用いない)
※ 効率的な機械作業が可能であること
※ ほ場条件を考慮したほ場整備・暗渠工事等が必要
使用機械
や 機 具

 
○安全性が配慮されていること ○基本性能が高いこと
○長期間にわたり、保守・修繕が容易であること
※ 一定の基準に従って「マーク」をつけることも考えられる
※ 自走式草刈機等、貸出制度なども活用が可能と考えられる
農 作 業
 
○安全重視で作業を行うこと ○体に過度な負担をかけないこと
※ 農業者の意識と各種環境整備が必要
使用資材


 
○環境負荷が軽いこと(農薬の回数だけでなく質も考慮する、肥料成分の過剰
蓄積に配慮する)
○肥料等は地域循環が考慮されていること
※ 土壌分析とそれに基づく施肥設計によることが望ましい
そ の 他

 
○地産地消(直売所を含む)や地域活動(学校教育田)などに携わっているこ
と ○視察を受け入れていること ○展示ほを設けていること
※ 農業生産だけでなく、地域との関わってくことが望ましい
※ 環境農業に取り組むためには、環境農業により生産された農産物が消費者に評価さ 
 れ、農業経営の維持・発展が可能な価格を実現することが大前提になります。
※ 環境農業に対する行政・農業団体等の支援としては、担当部署や「環境農業推進センタ
 ー」(技術開発と経営を含めた研修・普及をあわせ行う)の設置、各種施設の優先利用、機
 械・倉庫・農産加工施設等の貸出制度、農作業人財バンクの設置・ 運営、学校給食・病 
 院給食等での優先活用、小売店内での直売コーナーの設置などが考えられます。
  また、消費者団体との提携(販売のみでなく、農業体験の場を提供することを含む)など
 が可能となれば、非常に大きな推進力になります。